4-1デジタル社会形成基本法
春から、こむぎ堂は株式会社になります。閉店後のレジ台には、会社の登記の書類と、消費税の登録の案内と、古いオーブンの引き取りの見積もりが並んでいました。店長は帳簿を紙で残すか電子で残すかも決めなければならず、ため息をついています。そこへミナトのスマートフォンが続けて鳴りました。「こむぎ堂のパンで食中毒が出たらしい」という投稿が、知らない人から「拡散希望」の一言を添えて転送されてきたのです。店では、そんな話は一件も聞いていません。会社の決まりを整えることと、出回る情報にどう向き合うかを、同じ週に決めることになりました。
最初に片付けたのは登記でした。マイナンバーカードを使えば、会社を作るときの届け出の多くは店のパソコンからオンラインで出せます。店長は「役所に行かなくていいのか」と驚きました。相棒の説明では、行政の手続を電子で済ませられるようにするのは、国が法律で決めた方針なのだそうです。
その方針を定めているのが、2021年に公布され、同じ年の9月に施行されたデジタル社会形成基本法です。インターネットなどのネットワークを通じて情報を自由に安全にやりとりし、それを使って暮らしや仕事をよくしていく社会を「デジタル社会」と呼び、国・地方公共団体・事業者がそれぞれ何をするかを定めています。この法律が施行されたとき、それまでの国の方針を決めていたIT基本法は廃止されました。
ここから基本情報!IT基本法からデジタル社会形成基本法へ
前の法律から順にたどります。2000年に制定された高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT基本法)は、内閣にIT戦略本部(高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部)を置き、国の情報化の計画を進める役にしました。この本部が2001年1月に決めた国家戦略がe-Japan構想(e-Japan戦略)で、5年以内に世界最先端のIT国家になるという目標を掲げていました。
IT基本法は、施策を作るときの方針をいくつも並べていました。速くて安い通信網を整える高度情報通信ネットワークの形成、ネットでの売り買いが安心してできるよう決まりを整える電子商取引の促進、国や自治体の事務にネットワークを使って手続を便利にする行政の情報化、医療・教育などの公共の分野でサービスの質を上げる公共分野における情報通信技術の活用です。通信網を「整える」ことに重心がありました。
デジタル社会形成基本法は、目標をデジタル社会の形成に置き直しました。第1条は、その施策を急いで重点的に進め、経済の持続的で健全な発展と、国民の幸福な生活の実現に役立てることを目的に挙げています。通信網が行き渡った後の課題は、網の上で情報をどう使うかに移っていたわけです。
施策を作るときの方針として、法律は次のようなものを定めています。ネットワークを使い、情報通信技術で情報を活かす機会を誰もが持てるようにすること(条文では情報通信技術の活用を「高度情報通信ネットワークの利用及び情報通信技術を用いた情報の活用」と書きます)。国・自治体・事業者などのシステムがつながり、データの形をそろえて情報が行き来できるようにする多様な主体による情報の円滑な流通の確保。住所や法人の名前のように、多くの手続のもとになる公的な情報を、検索して使える形に整えるベースレジストリ(公的基礎情報データベース)の整備。そして、犯罪や情報の改変を防ぎ、本人確認の信頼性を保って安心して使えるようにするサイバーセキュリティの確保です。
この方針を進める行政機関として、2021年9月1日にデジタル庁の設置が行われました。デジタル庁は内閣に置かれ、国の情報システムの整備をまとめて進めます。長であるデジタル大臣は、ほかの省庁に勧告することもできます。こむぎ堂の登記がオンラインで済んだのも、この流れの中の一つです。
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店長が気にしたのは、手続が便利になる話より、自分たちの側に何が求められるかでした。法律の名前に「基本」と付くものは、国の方向と役割分担を決めるもので、事業者に細かい義務を直接課すことは多くありません。それでも、国がデータをどう集め、どう公開するかが決まると、こむぎ堂が使える情報も変わります。
4-2官民データ活用推進基本法
ミナトは、町の商店街がネットで公開している「時間帯ごとの人通り」のデータを見つけました。朝7時台より、8時台のほうが駅前の人通りが倍ほど多いようです。「開店を30分早めるか、遅くまで開けるか、これで決められるかも」。誰でもダウンロードできる表になっていて、使ってよい条件も書いてあります。
役所や会社が仕事の中で持っているデータを、社会で使えるようにしようという法律が、2016年に公布・施行された官民データ活用推進基本法です。ここでいう官民データは、国・地方公共団体・独立行政法人・事業者が、事務や事業の中で管理し、利用し、提供している電子データ(電磁的記録に記録された情報)を指します。国の安全や公の秩序を損なうおそれのある情報は除かれます。商店街の人通りの表も、自治体が持つ交通量の記録も、こむぎ堂の売上の記録も、この意味では官民データです。
法律は、政府にデータ活用の計画を作ることを求めています。これが官民データ活用推進基本計画で、施策の基本的な方針や、国・自治体・事業者のデータの使い方などを定めます。
ここから基本情報!官民データ活用の基本的な施策
法律が国に求める施策から、三つを挙げます。一つめは、行政機関への申請や届出をオンラインで行うことを原則にする行政手続のオンライン化(行政手続に係るオンライン利用の原則化)です。こむぎ堂が会社の届け出を店から出せたのは、この原則があるからです。
二つめは、国・地方公共団体・事業者が、自分の持つデータを個人や国の安全を損なわない範囲で、ネットで使いやすい形にして出していく官民データ活用の推進(国・地方公共団体・事業者が自ら保有する官民データの活用の推進)です。国と自治体には措置を講じることを、事業者には公益に役立つデータについて努めることを求めています。商店街の人通りの表は、その実例です。誰でも使える条件で公開されたデータをオープンデータといいます。
三つめは、住んでいる場所や年齢、障害の有無、経済的な事情などのせいで、情報通信技術を使う機会や使いこなす力に差が出ないようにする情報格差の是正(情報通信技術の利用機会又は活用に係る格差の是正)です。データを公開しても、受け取れない人がいれば、恩恵は偏ります。
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データを使った新しい取組みは、いまの規制のままでは試せないこともあります。そこで、地域を限って規制を緩め、新しい事業や先端的な街づくりを進められるようにした法律が国家戦略特区法(国家戦略特別区域法、2013年制定)です。2020年の改正では、行政や交通、医療など複数の分野のデータを連携させる基盤を整え、まちの暮らしのサービスをまとめて変えようとする「スーパーシティ」の仕組みが加わりました。この改正はスーパーシティ法と呼ばれることがあります。
ミナトは人通りの表を使い、開店を7時から7時30分に変える案を店長に見せました。データの出どころと使ってよい条件を確かめてから使う、という順番も一緒に伝えました。
4-3会社法と金融商品取引法
株式会社にするには、誰が会社の持ち主で、誰が経営を決めるのかを決めなければなりません。店長が株を持ち、店長の家族と、長年の常連で商店街の会長も少しずつ出資することになりました。「出資してくれた人に、毎年何を報告すればいいんだろう」。店長の手元のメモには、株主、取締役、監査といった言葉が並んでいます。
会社の作り方や、会社の中で誰が何を決めるか(機関設計)、合併などの組織の組み替えを定めた法律が会社法です。株式会社は、出資して株を持つ株主のものです。株主が集まって会社の大事なことを決める会議を株主総会といい、取締役の選任や、定款(会社の基本の決まり)の変更、決算の承認などを決議します。株式会社の最高の意思決定機関と呼ばれるのはこのためです。
毎日の経営は、株主総会で選ばれた取締役が担います。株式会社には取締役を一人以上置く必要があり、こむぎ堂では店長が取締役になります。取締役が3人以上いて取締役会を置く会社では、取締役会が業務の進め方を決め、代表取締役が会社を代表して業務を執行します。
会社が大きくなると、外の専門家による監査も必要になります。会社の決算書類(計算書類)を監査する、公認会計士や監査法人を会計監査人といいます。資本金5億円以上または負債200億円以上の大会社は、会計監査人を置かなければなりません。こむぎ堂のような小さな会社では、置くかどうかを自分で選べます。
ここから基本情報!監査役・委員会・執行役と事業報告
取締役の仕事ぶりを、会社の内側から確かめる役が監査役です。株主総会で選ばれ、取締役の職務の執行が法令や定款に沿っているか、会計が正しいかを監査します。取締役会を置く会社は、原則として監査役を置きます。
経営の監督と執行をはっきり分ける形もあります。取締役会の中に指名委員会・監査委員会・報酬委員会の三つを置く会社で、以前は委員会設置会社と呼ばれ、2014年の会社法改正で名前が指名委員会等設置会社に変わりました。各委員会は取締役3人以上で作り、その過半数を社外取締役にします。この形の会社は監査役を置かず、監査は監査委員会が受け持ちます。
指名委員会等設置会社で、取締役会の決定に基づいて実際の業務を執行するのが執行役です。執行役は取締役会が選び、取締役を兼ねることもできます。取締役会は監督、執行役は執行と、役割を分けるための仕組みです。名前の似た「執行役員」は会社が独自に置く役職で、会社法上の執行役とは別のものです。
株式会社は、事業年度ごとに決算の書類(貸借対照表や損益計算書などの計算書類)と、会社の状況を文章で説明する事業報告を作ります。事業報告には、その年の事業の経過や、会社が抱える課題などを書き、株主に報告します。数字の書類が計算書類、言葉で状況を説明する書類が事業報告です。
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株が証券取引所で売り買いされる上場企業になると、守る法律がもう一つ増えます。会社の情報を投資家に開示させ、取引の公正さを守ることで、国民経済の健全な発展と投資者の保護に役立てることを目的にした金融商品取引法です。その代表的な決まりがインサイダー取引規制で、会社の役員や社員、取引先など、まだ公表されていない重要な情報を知る立場の人が、その情報が公表される前に株を売り買いすることを禁じています。「来月、大手と提携する」と知った社員が先に株を買えば、何も知らない投資家が損をする形になるからです。
ここから基本情報!上場企業が出す報告書
金融商品取引法は、上場企業などに、事業の内容や財務の状況を書いた有価証券報告書を、事業年度が終わってから3か月以内に内閣総理大臣へ提出することを求めています(実際の提出先の窓口は金融庁で、EDINETという電子開示の仕組みで出し、誰でも読めます)。
あわせて、財務報告の信頼性を保つための社内の仕組み(内部統制)がきちんと働いているかを経営者が評価し、その結果を内部統制報告書として、有価証券報告書と一緒に提出します。この報告書は公認会計士や監査法人の監査も受けます。この制度は、アメリカの法律にならったものとして、J-SOXと呼ばれることがあります。
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4-4税法と文書の電子保存
駅前のカフェから、こむぎ堂の食パンを毎週仕入れたいという話が来ました。条件は一つだけです。「請求書は、インボイスの形でお願いできますか。登録番号が入っていないと、うちが損をするので」。店長は、請求書の形で相手の損得が変わる理由が分かりません。
消費税は、買う人が払い、売った事業者がまとめて国に納める税です。カフェのように仕入れて売る事業者は、売上で預かった消費税から、仕入れで払った消費税を差し引いて納めます。この差し引きを仕入税額控除といいます。差し引けないと、同じ税を二重に負担することになります。
2023年10月に始まったインボイス制度(適格請求書等保存方式)は、この仕入税額控除を受けるために、売り手が出す適格請求書(インボイス)を保存することを条件にした制度です。適格請求書を出せるのは、税務署に登録した事業者だけで、請求書には登録番号や、税率ごとの消費税額などを書きます。
数字で確かめます。カフェがこむぎ堂から食パンを税抜き10,000円で仕入れ、消費税800円(食品の軽減税率8%)を払ったとします。カフェは店内で出すサンドイッチを税抜き30,000円売り、消費税3,000円(10%)を預かりました。こむぎ堂のインボイスがあれば、カフェが納める消費税は3,000円−800円=2,200円です。インボイスがなければ、800円を差し引けず、原則として3,000円を納めることになります(制度の始まりから数年は、一部を差し引ける経過措置があります)。カフェの「損をする」はこの800円のことでした。
ここから基本情報!会社にかかる税の法律
会社になると、関わる税の法律が増えます。会社などの法人が事業年度ごとに得た所得にかかる法人税について、課税の対象や計算のしかたを定めているのが法人税法です。国内での商品の販売やサービスの提供に広くかかる消費税について、課税の対象や税率、インボイスの決まりを定めているのが消費税法です。税法に沿った正しい会計処理をすることは、会社の義務です。
給与を払う側になると、アルバイトの給与から所得税を差し引いて納める源泉徴収も始まります。1年間に払った給与と差し引いた所得税額を書いて、働く人に渡す書類が源泉徴収票です。税務署に出す分には個人番号(マイナンバー)を書きますが、本人に渡す分には書きません。渡す途中で番号が漏れるおそれを減らすためです。
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申告は、紙でなくてもできます。国税の申告や納税、申請をインターネットで行える仕組みがe-Tax(国税電子申告・納税システム)です。会社の法人税や消費税の申告も、e-Taxで出せます。
残るのは、カフェと交わした請求書や帳簿を何年も保管する問題です。紙の束を棚に積み続けるか、電子データで残すか。法律が保存を義務付けている書類でも、条件を満たせば電子で残せるようになっています。
ここから基本情報!書類を電子で残すための法律
いろいろな法令で紙での保存が求められていた書類について、電子データ(電磁的記録)での保存や作成を認めた法律がe-文書法です。正式な名前は「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」で、2004年に制定されました。個々の法令を一つずつ改めなくても、まとめて電子で残せるようにするための法律です。
税の書類については、専用の法律があります。法人税や所得税に関わる帳簿や書類を、条件を満たせば電子データで保存できると定めたのが電子帳簿保存法(1998年制定)です。会計ソフトで作った帳簿をそのままデータで残すことや、紙で受け取った領収書をスキャナで読み取って残すことが認められています。反対に、メールやWebで受け取った請求書のように電子でやりとりした取引の記録は、紙に印刷して残すのではなく、電子データのまま保存することが求められています。
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4-5産業機器・製造物責任・環境
20年使ったオーブンを入れ替える日が決まりました。新しいオーブンは、焼き時間と温度を組み込みのプログラムで細かく制御します。営業の人は、ついでに「ドローンで近所に配達する実験に参加しませんか」と言い残していきました。店長が気にしているのは、古いオーブンをどこへ出せばよいのかと、新しいオーブンのプログラムがもし誤作動したら誰の責任になるのか、です。
製品の欠陥のせいで人がけがをしたり、物が壊れたりしたとき、作った側が負う責任を定めたのが製造物責任法(PL法、PLはProduct Liabilityの略)です。被害を受けた人は、製造業者などの過失を証明しなくても、製品に欠陥があったことを示せば損害の賠償を求められます。欠陥とは、その製品が通常持っているべき安全性を欠いていることです。
この法律でいう製造物は、製造または加工された動産、つまり形のある物です。そのため、ソフトウェアそのものは製造物に当たらないと考えられています。ただし、プログラムを組み込んだ機器は製造物です。新しいオーブンのプログラムの欠陥で火が出たなら、オーブンの製造業者が責任を問われます。そして、小麦粉を加工して焼いたパンも製造物です。こむぎ堂は、この法律では責任を負う側にも立っています。
ここから基本情報!自動運転とドローンの決まり
プログラムで動く機械が街に出ていくと、安全のための決まりも要ります。自動車の登録や車検、構造や装置の保安基準を定めている道路運送車両法には、プログラムで自動的に車を運行させる「自動運行装置」も、保安基準の対象になる装置として書き込まれています。
ドローンの配達に関わるのは航空法です。航空機の安全な運航のための法律で、人が乗れない構造で遠隔操作や自動操縦で飛ばせる機体を無人航空機と定め、機体の登録や、人家の多い地域の上空や夜間に飛ばすときの許可などの決まりを置いています。
これとは別に、国会議事堂や首相官邸、外国の大使館、防衛関係の施設、空港、原子力事業所といった重要な施設の周りの上空で、ドローンなどの飛行を禁じているのが小型無人機等飛行禁止法(2016年制定)です。航空法の許可をとっていても、この法律の対象地域では原則として飛ばせません。
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古いオーブンの話に戻ります。事業で使った機械を捨てるときは、家庭のごみとは扱いが違います。廃棄物の出し方や処理のしかたを定め、生活環境の保全と公衆衛生の向上を目的にした廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)では、事業活動から出た金属くずや廃プラスチックなどは産業廃棄物になります。こむぎ堂は、許可を持つ処理業者に引き取りを頼み、処理の流れを記録する伝票(マニフェスト)で最後まで確かめる必要があります。店のパソコンを捨てるときも同じ考え方で、中のデータを消すことも忘れられません。
捨てる前に、使える資源を回収する仕組みもあります。リサイクル法は、製品ごとに回収と再資源化の仕組みを定めた法律をまとめて呼ぶ言い方で、とくに資源有効利用促進法(パソコンを製造業者が回収する仕組みなど)を指して使われることもあります。家庭のエアコン・テレビ・冷蔵庫(冷凍庫)・洗濯機(衣類乾燥機)を対象にした家電リサイクル法も、その一つです。
二酸化炭素を減らしながら経済を成長させる取組みは、GX(グリーントランスフォーメーション)と呼ばれます。その進め方を定めたのが2023年に制定されたGX推進法(脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律)です。国の戦略の策定や、脱炭素への投資の資金を集めるための国債(GX経済移行債)の発行、二酸化炭素の排出に応じた負担の仕組みなどを定めています。
ここから基本情報!エネルギーと電源の法律
新しいオーブンの省エネの性能が気になるなら、省エネ法が関わります。工場や事業所、輸送、建物、機械器具について、エネルギーを無駄なく使うことを事業者に求める法律です。2023年4月の改正で、正式な名前が「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」に変わり、化石燃料から非化石エネルギーへの転換も対象になりました。
GX推進法と同じ2023年には、脱炭素と電気の安定供給を両立させるため、電気事業法などをまとめて改正するGX脱炭素電源法も成立しました。再生可能エネルギーの導入を進める仕組みに加え、原子力発電所の運転期間を、原則40年・延長で最長60年という枠を保ちつつ、審査などで止まっていた期間をその計算から除けるようにしています。
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4-6通信・情報公開・輸出の規制
新しいオーブンは、省エネの機器への買い替えを支える国の補助金を使って買う予定です。ところが申請してみると、補助の対象になる機器の基準が、どう決まったのかよく分かりません。「国の役所が持っている資料を、こちらから見せてもらうことはできるの?」と店長が聞きます。同じころ、ミナトは海外の通販で見つけた安いWi-Fiの中継器を店に付けようとして、相棒に止められていました。
ここから基本情報!通信と電波の法律
相棒が止めた理由は電波でした。無線の機器が使う電波の利用の決まりを定め、電波を公平に、無駄なく使えるようにするのが電波法です。無線局を開くには原則として総務大臣の免許が要り、Wi-Fiの機器のように免許なしで使えるものも、技術基準に合っていると認められた機器(技適マークの付いた機器)であることが条件になります。基準に合わない機器を国内で使うと、この法律に触れるおそれがあります。
店のインターネット回線を提供している通信事業者にも決まりがあります。電話やインターネットなどの電気通信の事業について、事業者の登録や届出、利用者の保護、そして通信の秘密を守る義務を定めているのが電気通信事業法です。事業者は、自分が取り扱っている通信の中身を勝手に見たり漏らしたりできません。
通信の秘密には、法律で決めた例外があります。組織的な殺人や薬物・銃器の取引などの重い犯罪の捜査で、ほかの方法では真相の解明がとても難しいときに限り、裁判官が出す傍受令状によって、捜査機関が電話などの通信を傍受することを認めたのが通信傍受法(犯罪捜査のための通信傍受に関する法律)です。
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店長の疑問に答えるのが情報公開法(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)です。国の行政機関が持っている文書について、誰でも開示を請求できると定めています。日本の国民に限らず、外国に住む人も、会社も請求できます。行政がどんな資料に基づいて決めたのかを国民が確かめられるようにする、行政の説明責任のための仕組みです。
請求の対象になるのは行政文書で、行政機関の職員が仕事の中で作ったり受け取ったりした文書・図画・電子データのうち、組織として使うために、その行政機関が持っているものを指します。個人のメモにとどまるものや、書店で売っている白書などは含まれません。開示請求をしても、個人の情報や、国の安全に関わる情報などは黒く塗られることがあります。独立行政法人が持つ法人文書には、別の法律で同じような仕組みがあります。
店長は補助金の審査基準の資料を開示請求し、一か月ほどで写しが届きました。一方、オーブンの製造業者からは別の連絡が来ていました。同じ型のオーブンを海外のパン屋にも売りたいが、制御の基板とソフトウェアの持ち出しに手続が要る、というのです。
ここから基本情報!輸出の規制
武器や、軍事に転用できる製品・技術が国外に出ていかないように、輸出や技術の提供を規制する法律をまとめて輸出関連法規と呼びます。日本では外為法(外国為替及び外国貿易法)が中心で、国際的な平和と安全を妨げるおそれのある貨物の輸出や、その設計・製造の技術を外国に提供する取引には、経済産業大臣の許可が要ります。ソフトウェアやプログラムを海外に送ることも、技術の提供に当たる場合があります。
アメリカの法律が日本の会社にも関わることがあります。アメリカの商務省産業安全保障局(BIS)が所管する輸出管理規則(EAR)などの米国輸出関連法は、アメリカから輸出するときだけでなく、アメリカ原産の製品や技術を日本などから別の国へ再び輸出するとき(再輸出)にも適用されます。アメリカ製の部品を組み込んだ制御の基板を海外に送るなら、日本の外為法とアメリカの規則の両方を確かめることになります。
貿易そのものの国際ルールを決め、加盟国の間の貿易の争いを処理する国際機関がWTO(World Trade Organization:世界貿易機関)です。1995年に設立され、自由な貿易を進める役割を持っています。輸出の規制は、自由な貿易の例外として、安全保障を理由に各国が行っているものです。
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4-7コンプライアンス
株式会社になって最初の月、気になることが二つ続きました。新しく入ったアルバイトが、厨房の写真を自分のSNSに載せ、壁に貼った予約表の名前が写り込んでいたこと。そして、焼き場の先輩が新人を大声で何度も怒鳴っていると、別のアルバイトがこっそり店長に伝えてきたことです。どちらも、法律の条文を一つずつ読んでも、店としての答えはすぐには出てきません。
法律を守ることをコンプライアンス(法令遵守)といいます。ただし会社に求められるのは、条文に書かれたことだけではありません。社内の規則や、社会が当然と考える倫理まで含めて守ることが、いまのコンプライアンスの意味です。違反すれば、罰金などの法的な制裁に加えて、お客さんや取引先の信用を失うことにもなります。
ここから基本情報!企業倫理と人権
会社が利益を求めて活動する中で、法律を守ることにとどまらず、誠実さや公正さに基づいて行動するための規範を企業倫理といいます。会社が何のために存在するかという考え(企業理念)があり、それに沿って社員がどう振る舞うかを決めたものが企業倫理だと考えると、つながりが見えます。
企業倫理の中心にあるのが人権です。人種・性別・国籍・宗教などにかかわらず、すべての人が生まれながらに持つ、生命・自由・平等などの基本的な権利で、会社は社員にも、お客さんにも、取引先で働く人にも、これを尊重することが求められます。
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人権を守る責任を、会社の事業のすべてに広げる考え方がビジネスと人権です。2011年に国連人権理事会で支持された「ビジネスと人権に関する指導原則」がもとになっていて、会社には、自分の事業や取引先の中で人権を損なう問題がないかを調べ、防ぎ、起きたら救済することが求められます。こむぎ堂なら、仕入れている小麦やカカオが、子どもを無理に働かせる農園から来ていないかを考えることも、これに含まれます。
先輩の怒鳴り声は、店の中の人権の問題です。相手の意に反する言動で、不快な思いや心身の苦痛を与えることをハラスメントといいます。仕事上の立場を背景にしたパワーハラスメント、性的な言動によるセクシュアルハラスメントなどがあり、会社には防ぐための体制を整える義務があります。店長は先輩と話す時間をとり、相談の窓口も決めることにしました。
SNSの件には、社員やアルバイトが守るSNSでの決まりを文書にしておくことが役立ちます。組織が、公式アカウントの運用や、社員が個人で発信するときに守ることを定めたものをソーシャルメディアポリシー(ソーシャルメディアガイドライン)といいます。厨房や予約表は写さない、店の内部の情報は書かない、といった具体的な決まりを入れておけば、新人も迷いません。
会社が利益を上げるだけでなく、社員・お客さん・地域・環境に対して責任を果たすべきだという考え方をCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)といいます。売れ残ったパンをフードバンクに寄付する、商店街の清掃に参加する、といった取組みは、こむぎ堂にとってのCSRです。
こうした決まりを、決めただけで終わらせないための仕組みが内部統制です。業務が有効で効率よく進むこと、財務の報告が信頼できること、法令が守られること、会社の資産が守られることを目的に、会社の中にルールや確認の手順を組み込みます。会社法は大会社にこの体制の整備を決めることを求め、金融商品取引法は上場企業に、財務報告に関わる内部統制を評価して報告させています(内部統制報告制度)。会社が株主などのために健全に経営されるよう、経営そのものを監視する仕組みはコーポレートガバナンス(企業統治)と呼ばれ、内部統制はその仕組みの一部です。
情報システムの面では、通商産業省(当時)が1995年に告示した情報システム安全対策基準があります。情報システムの機密性・保全性(いまの用語では完全性)・可用性を保つために、災害や機器の故障、故意や過失による事故への備えとして、利用者が行う対策の項目を並べたものです。最後の改正は1997年です。のちに経済産業省は、ISMSの国際規格に合わせた情報セキュリティ管理基準(2003年告示)を別に定めました。
ルールを破っている人が社内にいたら、誰がどう知らせるのか。会社の中の不正を、社員などが会社の決めた窓口に知らせる仕組みを内部通報といいます。怒鳴り声を店長に伝えたアルバイトは、小さな内部通報をしたことになります。知らせた人が不利益を受けるなら、誰も知らせなくなります。
そこで、会社の法令違反を公益のために通報した労働者などを、解雇や降格などの不利益な扱いから守るのが公益通報者保護法です。2004年に制定され、2022年6月に施行された改正で、常時使用する労働者が300人を超える事業者には、通報を受けて調べる担当者を決め、通報に対応する体制を整えることが義務になりました(300人以下の事業者は努力義務)。
ここから基本情報!内部告発
社内の窓口に知らせても改まらないとき、あるいは知らせると証拠が消されるおそれがあるとき、社員が監督する行政機関や報道機関など会社の外に不正を知らせることがあります。これを内部告発といいます。公益通報者保護法は、一定の条件を満たせば、外部への通報も保護の対象にしています。
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4-8情報倫理とネットのマナー
「こむぎ堂のパンで食中毒が出たらしい」というメッセージは、その後もミナトのもとに届き続けました。どれも最後に「大事なことなので、10人に回してください」と書いてあります。転送した人の中には、こむぎ堂を心配してくれている常連さんもいました。悪気はないのです。
受け取った人に、ほかの人へ転送するよう促して広がっていくメッセージをチェーンメールといいます。「回さないと不幸になる」と脅すものもあれば、「拡散希望」と善意に訴えるものもあります。転送する人に悪意がなくても、受け取る人を増やし、ネットワークにも負担をかけ、中身が誤りなら誤りを広げます。受け取ったら、回さずに止めるのが基本です。
なぜ回さないのか、と聞かれたときの答えは、法律よりも手前にあります。情報社会で、自分の行動が他人や社会にどう影響するかを考え、正しく振る舞うための考え方や態度を情報モラルといいます。その根にあるのが、法律や社会のルールを自分の意志で守ろうとする個人の意識としてのモラル(遵法の意識)です。モラルは、会社の倫理や技術者の倫理のもとにもなります。
ネットを使うときのマナーには、ネチケットという名前があります。ネットワーク(network)とエチケット(etiquette)を合わせた言葉で、相手の顔が見えない場所だからこそ、言葉づかいに気を配る、他人の個人情報を勝手に書かない、大きなファイルをむやみに送らない、といった振る舞いを指します。
ネットに一度出た情報は、元の投稿を消しても、誰かが保存した画像や転載として残り続けます。消せない入れ墨にたとえて、これをデジタルタトゥーと呼びます。食中毒のうわさが誤りだと分かっても、「こむぎ堂 食中毒」という言葉の組み合わせは、検索すると何年も出てくるかもしれません。投稿する前に一度止まって考える理由がここにあります。
情報を作る側の倫理もあります。ミナトは学校の課題研究で、パン生地の発酵の時間と温度の関係を測っていました。結果がきれいな直線にならず、外れた一つの値を消したくなります。存在しないデータを作る「ねつ造」、データや結果を都合よく書き換える「改ざん」、他人のアイデアや文章を出典を示さずに使う「盗用」をまとめてデータのねつ造・改ざん・盗用といい、研究の不正の代表とされています。文部科学省は2014年のガイドラインで、この三つを特定不正行為と定めています。外れた値は消さずに、外れた理由を考えて書くのが筋です。
受け取る側を守る仕組みもあります。青少年が違法な情報や有害な情報を含むWebサイトを見られないように、内容を判定して表示を制限する仕組みを有害サイトアクセス制限といい、閲覧できるサイトを絞るフィルタリングがその代表です。もう一つがペアレンタルコントロールで、保護者が子どものスマートフォンやゲーム機の使い方を管理する機能です。使える時間やアプリ、課金を制限できます。
4-9偽情報と情報の偏り
うわさの出どころを、ミナトと相棒でさかのぼってみました。最初の投稿は、隣の市の別のパン屋で起きた食中毒のニュースを、店の名前を取り違えて紹介したものらしいのです。ところが途中から、「こむぎ堂はもみ消している」と書き足して広める人が現れていました。さらに、去年こむぎ堂に保健所の定期の立ち入りがあったときの写真まで、「ほらね」と添えて出回っています。
本当のニュースのように見せかけて、SNSやネットで広まる誤った内容や作り話をフェイクニュースといいます。わざと作られたものもあれば、勘違いがそのまま広がったものもあります。こむぎ堂のうわさは、その両方が入っていました。
ここから基本情報!偽情報の3つの区別
誤った情報は、「内容が正しいか」と「人を害する意図があるか」の二つの軸で分けられます。最初の投稿のように、発信した人に欺くつもりはないのに、勘違いや確認不足で誤った情報が広まるものをミスインフォメーションといいます。
「もみ消している」と書き足した人は違います。誤りだと知りながら、相手をだます意図で作ったり広めたりする情報をディスインフォメーションといいます。三つめがマルインフォメーションで、内容そのものは事実なのに、文脈を外して相手を傷つける目的で使われる情報です。保健所の立ち入りの写真は本物ですが、定期の検査だったことを伏せて、食中毒の証拠のように使われていました。
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うわさを止めるために、ミナトがしたのは事実の確認でした。広まっている情報が本当かどうかを、公的機関の発表や信頼できる報道などの資料と照らして確かめることをファクトチェックといいます。報道機関や専門の団体が、話題になった発言や投稿を検証して結果を公開する取組みも、同じ名前で呼ばれます。ミナトは、隣の市の食中毒のニュースの元の記事と、保健所の検査の記録を並べて、どこで店の名前が取り違えられたのかを確かめました。
うわさへの返信の中には、こむぎ堂で働く外国籍のスタッフの国籍を持ち出して、ひどい言葉を浴びせるものも混じっていました。人種・民族・国籍・宗教・性別などの属性を理由に、特定の人や集団への差別や憎しみをあおる言動をヘイトスピーチといいます。日本では2016年に、日本の外から来た人とその子孫への不当な差別的言動をなくすためのヘイトスピーチ解消法が施行されました。SNSの事業者も、自社の規約に基づく削除などの対策をとっています。店長は、該当する返信をSNSの事業者に報告しました。
それにしても、なぜ誤ったうわさがこれほど信じられたのか。SNSで自分と似た意見の人ばかりとつながっていると、同じ意見が部屋の中で反響するように何度も返ってきて、それが世の中の多数の声だと思い込みやすくなります。これをエコーチェンバー(エコーチェンバー現象)といいます。
もう一つの原因は、見る画面そのものが人によって違うことです。検索エンジンやSNSは、利用者の好みや過去の閲覧に合わせて表示する情報を選びます。その結果、自分の好みに合う情報に囲まれ、違う意見に触れにくくなる状態をフィルターバブルといいます。エコーチェンバーは人のつながり方から、フィルターバブルは表示を選ぶ仕組みから生まれる、と分けると取り違えません。
4-10技術者倫理
騒ぎが落ち着きかけたころ、予約システムを作った業者から提案が届きました。店の入口のカメラで常連さんの顔を見分け、レジに着く前に好みのパンを画面に出す仕組みです。「便利そう」とミナトは思いました。一方で、相棒は「お客さんは、顔を記録されることを知っているかな」と聞き返してきました。
新しい技術を社会で使い始めるときには、技術として動くかどうかとは別に考えることがあります。倫理的に許されるか、法律に照らして問題はないか、社会に受け入れられるか、の三つです。これを、英語の頭文字をとってELSI(Ethical, Legal and Social Issues:倫理的・法的・社会的な課題)といいます。AIやゲノム編集のように、法律が追いつく前に技術が広まるものほど、ELSIを先に考えておくことが大切になります。顔で見分ける仕組みなら、顔のデータが個人情報として扱われること、お客さんが気づかないうちに記録されること、データが漏れたときの影響、のどれもが論点になります。
ここから基本情報!技術者が持つべき倫理
技術を作る側には、その人たちが守る行動の規範があります。技術者の団体が、専門家として守るべき行動を文書にして定めたものを技術者の倫理綱領といいます。情報処理学会は1996年に倫理綱領を定め(2022年に改訂)、「社会の一員として」「専門家として」「組織責任者として」の三つに分けて、他者の生命・健康・安全・財産を侵害しないことなどを掲げています。
綱領の背景にあるのが技術者の社会的責任という考え方です。自分の専門の知識や技術が社会に与える影響を自覚し、公共の安全や利益を優先して行動する責任のことです。依頼した人が満足しても、その仕組みで傷つく人がいるなら、技術者はそれを指摘することが求められます。
専門家としての高い知識と技能、そして倫理観を持ち、責任を持って仕事をやり遂げる姿勢をプロフェッショナリズムといいます。できないことを「できます」と言わない、知らないことを調べてから答える、といった日々の振る舞いが、その中身です。
個人が誠実でも、集団になると判断を誤ることがあります。集団で決めるとき、まとまりを保つことや反対しにくい空気が優先され、批判的な検討がされないまま、不合理な結論や危険な結論に至ってしまう現象を集団思考(グループシンク)といいます。心理学者のジャニスが名前を付けました。業者の打合せで、誰も「お客さんに知らせなくてよいのか」と言い出さなかったなら、それは集団思考が始まっていたしるしかもしれません。
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店長は、顔で見分ける仕組みをいまは入れないと決め、業者には「お客さんが自分で選べる形なら、また考えたい」と返事をしました。技術としてはすぐ動く仕組みでも、使う前に問いを立てる人がいれば、決め方は変わります。
その週の終わり、こむぎ堂は株式会社として届け出を済ませ、インボイスの登録番号を入れた請求書の書式をカフェに送りました。古いオーブンは許可を持つ業者が引き取り、処理の伝票が戻ってきました。食中毒のうわさには、店の公式アカウントで、保健所の検査の記録と、取り違えの元になった記事を示して事実を説明しました。転送してきた常連さんからは「回してしまってごめんね」と返事が来て、メッセージは一週間ほどで届かなくなりました。ただ、検索すると、あのうわさはいまも少しだけ出てきます。