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中分類10 大分類:技術要素 テクノロジ系

ネットワーク

データは小さなパケットに分けられ、層ごとの決まり(プロトコル)に沿って届きます。試験でよく計算するサブネットと伝送時間を2進数と式で確かめ、プロトコルと層の対応を表で見ます。

左にアプリケーション・トランスポート・ネットワーク・データリンク・物理の5つの層を積み、右に PC から2台のルータを経て PC へ、IPアドレスの付いたパケットが進む様子を描いた図
図:通信の層と、ルータを経て届くパケット

要点

ネットワーク方式

ネットワークの種類と特徴
建物や敷地の中を自前で結ぶのがLAN、離れた拠点を通信事業者の回線で結ぶのがWAN。
インターネットへはISPを通じてつなぐ。料金は使った量で決まる従量制か月額固定料金。
各階の配線をまとめる盤がIDF。センサを無線でつないで計測するのがセンサネットワーク。
有線 LAN
線を2本ずつより合わせたより対線(ツイストペアケーブル)が主流。同軸ケーブルは古い LAN やテレビで使う。
光ファイバケーブルは光で送るので、長い距離に強く、電磁的な雑音を受けない。
無線 LAN
端末は無線 LAN アクセスポイントと電波でつながる。赤外線は見通しが要り、近い距離だけ。
ネットワークを見分ける名前がSSID。同じ場所に複数の無線 LAN があっても、SSID で選ぶ。
交換方式
回線交換は通信中ずっと回線を占有する。品質は一定だが、話していない間も回線が空かない。
パケット交換はデータをパケットに分けて回線を共有する。音声をパケットで送るのがVoIP。
回線に関する計算
転送時間=データ量(ビット)÷(回線速度×伝送効率)。1バイト=8ビットに直してから割る。
速度の単位はbps(ビット/秒)。送ったビットのうち誤る割合がビット誤り率。
回線の使われ方を表す呼量の単位がアーラン。1時間に3分の通話が20回なら 20×3分÷60分=1アーラン。
インターネット技術
IPv4は32ビット、IPv6は128ビット。昔は先頭のビットでアドレスクラス(A・B・C)に分けていた。
組織の中で自由に使うプライベート IP アドレス(10.x、172.16〜31.x、192.168.x)を、NATがグローバル IP アドレスに置き換える。
DNSがドメイン名を IP アドレスに変える。末尾の .jp や .com がTLD。ルーティングではルータが経路表を見て次へ渡す。

データ通信と制御

ネットワークトポロジ
中心の機器から放射状につなぐスター型(今の LAN の主流)、1本の線にぶら下げるバス型、輪にするリング型。
スター型を階層に重ねたのがツリー型、2地点だけを結ぶのがポイントツーポイント。
OSI 基本参照モデル
下から物理層・データリンク層・ネットワーク層・トランスポート層・セション層・プレゼンテーション層・アプリケーション層の7層。
各層は1つ下の層の機能を使い、1つ上の層へ機能を渡す。層を分けると、1つの層を取り替えても他の層はそのまま使える。
伝送方式と回線
一方向だけの単方向、交互に送る半二重、同時に送り合う全二重。
光の波長ごとに別の信号を乗せるのがWDM、時間を区切って複数の端末が順に使うのがTDMA。
契約した2地点だけを結ぶ専用線と、多くの利用者で共有する公衆回線がある。
ネットワーク接続
物理層で信号を増幅するリピータ・ハブ。ハブを数珠つなぎにするのがカスケード接続。
データリンク層で MAC アドレスを見て中継するブリッジ・レイヤー2スイッチ。ループを止める仕組みがスパニングツリー。
ネットワーク層で IP アドレスを見るルータ・レイヤー3スイッチ。それより上の層で異なるプロトコルをつなぐのがゲートウェイ。
伝送制御
通信の前に相手と手順を決めるのがコネクション方式、いきなり送るのがコネクションレス方式。受け手に合わせて送る量を調整するのがフロー制御。
誤りはパリティチェックやCRCで見つける。HDLCはフラグで区切るフラグ同期、ベーシック手順は文字単位のSYN 同期。
親局が子局に順に尋ねるポーリング/セレクティング方式と、空いた局から送るコンテンション方式がある。
メディアアクセス制御
有線のCSMA/CDは、送りながら衝突を検知したら、ばらばらの時間だけ待って送り直す。
無線のCSMA/CAは、空いていても少し待ってから送り、衝突を避ける。送る権利を回すのがトークンパッシング。

通信プロトコル

TCP/IP
TCP/IP は4層。OSI の5〜7層がアプリケーション層、4層がトランスポート層、3層がインターネット層、1〜2層がネットワークインタフェース層。
送る側は層ごとに制御情報(ヘッダ)を付け、受ける側は層ごとに外して中身を上へ渡す。
データリンク層のプロトコル
ARPは IP アドレスから MAC アドレスを調べる。PPPは2地点をつなぐ手順、PPPoEはそれをイーサネットの上で使う。
IPoEは PPP を使わずイーサネットで直接 IP を通す。VLANは1台のスイッチを論理的に複数の LAN に分ける。
ネットワーク層のプロトコル
IPはあて先のIP アドレスまで届ける。サブネットマスクで、どこまでがネットワーク部かを示す。
CIDRはクラスにとらわれず、192.168.1.0/24 のようにプレフィックス長でネットワーク部の長さを決める。
1対1のユニキャスト、全員へのブロードキャスト、特定の集団へのマルチキャスト。エラーの通知や ping にはICMPを使う。
トランスポート層のプロトコル
TCPは確認応答と再送で、順番どおり確実に届ける。UDPは確認をしない分だけ速く、動画や DNS に向く。
どのアプリケーションあての通信かをポート番号で見分ける。0〜1023 は代表的なサービス用に決まっている。
アプリケーション層のプロトコル
Web はHTTP(80番)。メールの送信はSMTP(25番)、受信は端末へ取り込むPOP(110番)か、サーバに残すIMAP(143番)。
FTPはファイル転送、DHCPは IP アドレスの自動割当て、NTPは時刻合わせ、TELNETは遠隔ログイン(暗号化しない)。
HTTP/2は1本の接続で複数のやり取りを並行させる。HTTP/3は TCP ではなく UDP の上の QUIC を使う。
LAN と WAN のインタフェース
有線は10BASE-T(10Mbps)、100BASE-TX、1000BASE-T、10GBASE-T。先頭の数が速度。
無線はIEEE 802.11。n が Wi-Fi 4、ac が Wi-Fi 5、ax が Wi-Fi 6。6GHz帯も使うのが Wi-Fi 6E。
複数の中継機が網の目状に協力して家全体を覆うのがメッシュ Wi-Fi。
CORBA
言語や機種が違うプログラムどうしが、ネットワーク越しに互いの機能を呼び出せるようにする規格(分散オブジェクト技術)。

ネットワーク管理

ネットワーク運用管理
構成管理は機器・接続・バージョンを記録し、変更の履歴を残す。ソフトウェアで構成を変えるSDNも対象。
障害管理は死活監視で異常を見つけ、障害の切分けで原因を特定し、復旧して記録する。
性能管理はトラフィック監視で通信量と転送時間の関係を調べ、混む前に回線や機器を増やす。
ネットワーク運用管理ツール
届くかを確かめるping、通る道筋を調べるtraceroute、DNS に問い合わせるdig。
アドレスの設定を見るifconfig・ip、ARP の対応表を見るarp、接続の状態を見るnetstat・ss。
SNMP
SNMP 管理ステーションが、機器のSNMP エージェントに問い合わせて状態を集める。
エージェントが持つ管理情報の集まりがMIB。異常はエージェントの側からも知らせる(トラップ)。
仮想ネットワーク
パケットを別のパケットに包んで送るのがトンネリング。経路の制御と転送を分けてソフトウェアで制御するのが SDN(例:OpenFlow)。
ルータやファイアウォールなど専用機器の機能を、汎用サーバ上のソフトウェアで動かすのがNFV。

ネットワーク応用

インターネット
電子メールは SMTP でサーバからサーバへリレーして届き、POP3 か IMAP4 で読む。添付ファイルや日本語はMIMEで送る。
Web はブラウザと Web サーバが HTTP でやり取りする。HTTPSは TLS で暗号化し、cookieやセッション IDで利用者を見分ける。
FTPは制御とデータで別の接続を使う。データ用の接続をサーバから張るのがアクティブモード、端末から張るのがパッシブモード。
検索エンジンは、プログラムが自動で Web ページを集めるロボット型が主流。集めた文章全体から探すのが全文検索型。
イントラネット
インターネットの技術で作った組織内のネットワーク。離れた拠点はVPNで安全につなぐ。
エクストラネット
取引先どうしのイントラネットをつないだもの。受発注のデータを決まった形式で交換するEDIや、EC(電子商取引)に使う。
ネットワーク OS
ファイルやプリンタの共有、利用者とアクセス権の管理など、ネットワークのサービスを提供する機能を持つ OS。
通信サービス
通信事業者の閉じた IP 網で拠点を結ぶIP-VPN、イーサネットのまま拠点を結ぶ広域 Ethernet。
家まで光ファイバを引くFTTH、電話をインターネットの技術で行うIP 電話、山間部や海上でも使える衛星通信がある。
モバイル通信サービス
自前の設備を持つ移動体通信事業者から回線を借りて提供するのがMVNO。5Gは高速大容量・低遅延・多数同時接続が特徴。
企業や自治体が自分の敷地で使うローカル 5G。複数の周波数帯を束ねて速くするのがキャリアアグリゲーション。
契約情報はSIM カードに入る。端末に組み込んで書き換えられるのがeSIM。音声を LTE で送るのがVoLTE。
モバイルシステム構成要素
スマートフォンを中継にしてほかの機器をインターネットにつなぐのがテザリング。車に通信機能を載せたサービスがテレマティクス。
モバイル通信技術
移動中に基地局を切り替えるのがハンドオーバー、契約外の事業者の網を使うのがローミング。
複数のアンテナで同時に送受信するのがMIMO。少ない電力で広い範囲を結び IoT に使うのがLPWA。

さわって確かめる

サブネット・伝送時間・層の対応を、次の3つで確かめます。結果の欄には、途中の計算も出ます。

1. IPアドレスとサブネット

192.168.10.77 /26 を入れて、ネットワークアドレス・ブロードキャストアドレス・ホスト数を2進数の並びで確かめよう。

2. 伝送時間の計算

600Mバイトを、100Mビット/秒・伝送効率80% の回線で送る時間を求め、8倍する段階を確かめよう。

k=1,000、M=1,000,000 として計算します(試験では問題文の約束に従います)。

3. プロトコルと装置はどの層か

IMAP4・ARP・ルータを順に選び、それぞれが OSI 基本参照モデルの何層で、ポート番号は何番かを確かめよう。

3問チェック

最初に選んだ答えで採点します。全問正解で、この単元に「済み」の印が付きます。

  1. IPアドレス 172.16.5.130/27 のホストが属するネットワークのネットワークアドレスはどれか。

    1. 172.16.5.0
    2. 172.16.5.128
    3. 172.16.5.130
    4. 172.16.5.159
    答えと解説

    正解はイ。/27 ではホスト部が32−27=5ビットなので、第4オクテットは32ずつの区切りになる。130 は 128〜159 の区切りに入り、ホスト部を全部0にした 172.16.5.128 がネットワークアドレス。159 はホスト部を全部1にしたブロードキャストアドレス、0 は /24 として計算した値。

  2. 300Mバイトのファイルを、回線速度100Mビット/秒、伝送効率60% の回線で送る。かかる時間は何秒か。

    1. 5秒
    2. 14.4秒
    3. 24秒
    4. 40秒
    答えと解説

    正解はエ。300Mバイト×8=2,400Mビット。実際に使える速度は100×0.6=60Mビット/秒なので、2,400÷60=40秒。24秒は伝送効率を入れ忘れた値、14.4秒は効率を割らずに掛けた値、5秒はバイトをビットに直し忘れた値。

  3. スマートフォンとパソコンの両方で同じメールを読むため、メールをサーバに置いたまま、フォルダ分けや既読の状態もサーバで管理したい。受信に使うプロトコルはどれか。

    1. SMTP
    2. POP3
    3. IMAP4
    4. SNMP
    答えと解説

    正解はウ。IMAP4 はメールをサーバに残したまま読み、状態もサーバで管理するので、複数の端末で同じ状態を見られる。POP3 は端末へ取り込んで読む方式。SMTP は送信とサーバ間の転送、SNMP はネットワーク機器の管理に使う。