情報メディア
画像も音声も動画も、コンピュータの中では数の並びです。この単元では、それぞれの表し方とデータ量の求め方、圧縮の方式、色や画質の考え方、VR・ARなどの応用を扱います。
要点
マルチメディア技術
- マルチメディア
- 文字・音声・画像・動画をデジタルにしてまとめ、利用者の操作に応じて変える。リンクでたどれるようにしたものがハイパーメディア。
- 映像と音声を1つのファイルに収める形式がコンテナフォーマット。届いた分から再生するのがストリーミング。素材を編集してまとめるのがオーサリング。
- どの環境でも同じレイアウトで読める文書の形式がPDF。4Kは横約4000画素、8Kは横約8000画素の映像。
- 音声処理
- 音を標本化・量子化・符号化して数にするのがPCM。データ量=標本化周波数×量子化ビット数×チャンネル数×秒÷8 バイト。
- 非圧縮のWAV、圧縮したMP3。MIDIは音の波形ではなく、音の高さや長さなどの演奏の情報を記録する。
- 静止画処理
- 画素の並びで表すラスターデータと、点や線を座標と式で表すベクターデータ。ベクターは拡大しても粗くならない。
- 写真向きで非可逆のJPEG、256色までのGIF、可逆でフルカラーも扱えるPNG、ふつうは圧縮しないBMP。ほかにTIFF・HEIF。
- 撮影日時や機種などを画像ファイルに書き込む形式がExif。
- 動画処理
- 静止画(フレーム)を速く切り替えて動きを見せる。1秒あたりの枚数がフレームレート(fps)。
- 圧縮の規格にMPEG・H.264と、より圧縮の効率を高めたH.265(HEVC)。ファイル形式にAVIやQuickTimeがある。
- 情報の圧縮・伸長
- 圧縮で保存の容量と通信の負荷を減らす。完全に元へ戻せる可逆圧縮(ZIP・PNG)と、戻せない非可逆圧縮(JPEG・MPEG)。
- 圧縮率は圧縮後÷圧縮前。100Mバイトが30Mバイトになれば30%で、小さいほどよく縮んでいる。
- ファクシミリでは、白と黒の並びを短く符号化するMRやMMRを使う。
マルチメディア応用
- 色の表現
- 光の3原色(RGB)は重ねるほど明るくなる加法混色、色の3原色(CMY)は重ねるほど暗くなる減法混色。
- 色は色相・明度・彩度の3つで表す。RGB各8ビット(24ビット)で 2²⁴=約1678万色。明るさの差がコントラスト。
- 画像の品質
- 画像は画素(ピクセル)の集まり。細かさが解像度で、1インチあたりの点の数をdpi、画素の数をppiで表す。
- 横4インチの写真を300dpiで印刷するには、横に 4×300=1200画素が要る。
- グラフィックスソフトウェア
- 画素を塗るペイント系(ラスター形式)と、図形を組み合わせるドロー系(ベクター形式)。絵を層に分けるレイヤー、一部を切り出すトリミング。
- マルチメディア応用
- 現実に情報を重ねるAR、作った世界に入り込むVR、両方を混ぜるMRをまとめてXRという。多くの人が集まる仮想空間がメタバース。
- 人の動きをデータにするモーションキャプチャ、見たいときに配信を受けるビデオオンデマンド、設計に使うCAD、立体像を浮かべるホログラム。
- 撮った順に関係なく、どの場面からでも編集できるのがノンリニア編集。
さわって確かめる
データ量の計算を、次の3つで試します。この単元では 1Kバイト=1000バイト、1Mバイト=1000Kバイトとします(試験の問題では、問題文の決めに従います)。
1. 画像のデータ量
1920×1080画素、24ビットフルカラーの画像1枚が何Mバイトか確かめよう。
動画なら、枚数=フレームレート×秒(30fpsで10秒なら300枚)。
2. 音声のデータ量
CDと同じ 44,100Hz・16ビット・2チャンネル(ステレオ)で、60秒の音声が何Mバイトか確かめよう。
3. 圧縮率と転送時間
600Mバイトを圧縮率30%にし、100Mビット/秒・伝送効率60%の回線で送ると何秒かかるか確かめよう。
圧縮率100%は「圧縮しない」。伝送効率は、回線の速度のうち実際にデータを運べる割合。
3問チェック
最初に選んだ答えで採点します。全問正解で、この単元に「済み」の印が付きます。
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横1920画素、縦1080画素、1画素を24ビットで表す画像1枚のデータ量は、およそ何Mバイトか。1Mバイト=10⁶バイトとし、圧縮はしない。
- 約2.1Mバイト
- 約6.2Mバイト
- 約8.3Mバイト
- 約49.8Mバイト
答えと解説
正解はイ。1920×1080=2,073,600画素。24ビット=3バイトなので、2,073,600×3=6,220,800バイト≒6.2Mバイト。2.1Mは1画素8ビット、8.3Mは1画素32ビットで計算した値。49.8Mはビットのまま8で割り忘れた値。
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標本化周波数8,000Hz、量子化ビット数8ビット、モノラルで60秒録音した。圧縮しないときのデータ量はいくらか。1Kバイト=1000バイトとする。
- 8Kバイト
- 480Kバイト
- 960Kバイト
- 3,840Kバイト
答えと解説
正解はイ。1秒は 8,000回×8ビット=64,000ビット=8,000バイト。60秒で 480,000バイト=480Kバイト。8Kバイトは1秒分、960Kバイトはステレオ(2チャンネル)で計算した値、3,840Kバイトはビットのまま8で割り忘れた値。
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600Mバイトのファイルを圧縮率30%(圧縮後÷圧縮前)で圧縮し、100Mビット/秒、伝送効率60%の回線で送る。転送にかかる時間は何秒か。
- 3秒
- 14.4秒
- 24秒
- 80秒
答えと解説
正解はウ。圧縮後は 600×0.3=180Mバイト=1,440Mビット。実際に運べる速さは 100×0.6=60Mビット/秒なので、1,440÷60=24秒。14.4秒は伝送効率を掛け忘れた値、80秒は圧縮せずに送った値、3秒はバイトをビットに直し忘れた値。