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中分類21 大分類:経営戦略 ストラテジ系

ビジネスインダストリ

店のレジ、工場の生産計画、ネット通販、家電や自動車の中にも、情報システムが入っています。どの分野でどんなシステムが使われているかと、AIを使うときに気をつけることを押さえます。

中央の「データ」の雲と、店舗のPOS、家のIoT、工場の生産管理、買い物かごで表したECが矢印で結ばれている図
図:データでつながる店舗・家・工場・EC

要点

ビジネスシステム

社内業務支援システム
会計・人事給与・営業支援システム(SFA)、予定や文書を共有するグループウェア、申請と承認を回すワークフローシステムなど。
財務諸表をXMLの形式で記述し、機械で読めるようにする言語がXBRL。
基幹業務支援システム及び業務パッケージ
売れた時点で品目と数量を記録するのがPOSシステム。受発注・在庫・販売の管理に使う。
会計・人事・生産・販売などの基幹業務を1つにまとめて管理するのがERPパッケージ。
現実の物の状態を仮想空間に写し取って試すのがデジタルツイン。ブロックチェーンは産地のトレーサビリティやスマートコントラクトに使う。
行政システム及び公共情報システム
行政の手続と法令検索の窓口がe-Gov。自治体どうしを結ぶのがLGWAN、有価証券報告書を公開するのがEDINET。
電力の需給を通信で調整するスマートグリッド、道路と車を情報で結ぶITS、緊急情報を伝えるJアラートなど。
誰でも使えるユニバーサルデザインにし、IT を使える人と使えない人の差(デジタルディバイド)を縮める。
AI利活用の原則及び指針
国の人間中心のAI社会原則は、人間中心、公平性・説明責任・透明性などの原則を掲げる。
AIの活用領域及び活用目的
教師あり学習で売上や離反を予測し、教師なし学習で顧客をグループに分ける。生成AIは要約や画像生成に使う。
1つの仕事に絞った特化型AIと、何でもこなす汎用AI。文章・画像・音声をまとめて扱うのがマルチモーダルAI。
関係する事柄だけを選び出せないフレーム問題、記号と実物の意味を結び付けられないシンボルグラウンディング問題が課題。
AIを利活用する上での留意事項
もっともらしい誤りを出すハルシネーション、偽の映像や音声のディープフェイク、学習データ由来のバイアスに注意。
判断の根拠を示す説明可能なAI(XAI)と、人間が途中で確認・修正するヒューマンインザループ(HITL)で出力を確かめる。

エンジニアリングシステム

エンジニアリングシステムの目的と考え方
設計・開発・生産に情報技術を使い、期間の短縮、品質の向上、費用の削減をねらう。
生産の自動制御
必要な物を必要なときに必要な量だけ作るのがJIT。後工程がかんばんで前工程に部品を取りに行く。
少人数で製品を組み上げるセル生産方式、数値で工作機械を動かすNC、無人搬送車や自動倉庫で自動化する。
生産システム
生産工程を設計から出荷まで自動化するのがFA。多品種を同じ設備で作り分けるのがFMS。
MRP(資材所要量計画)は、生産計画と部品表から部品の総所要量を出し、在庫を引いて正味所要量を求める。
コンピュータ支援システム
設計はCAD、強度などの解析はCAE、設計データから加工はCAM。製品データを一元管理するのがPDM。
設計から生産・販売までをコンピュータでつないで統合するのがCIM。

e-ビジネス

電子受発注システム
多くの店が出店するオンラインモール、国や自治体がネットで入札を受ける電子入札など。
電子決済システム
QRコード決済や非接触IC決済などのキャッシュレス決済、金融とITを組み合わせたフィンテックが広がる。
暗号資産は国が価値を保証しない。中央銀行が発行するデジタルの通貨がCBDC。
e-ビジネスの進め方
企業間はBtoB、企業と消費者はBtoC、消費者どうしはCtoC、行政と住民はGtoC。メーカーが直接売るのがDtoC。
ネットから実店舗へ客を送るのがOtoO、ネットと店の区別をなくすのがOMO。
売れ筋でない商品の売上を積み上げるロングテール、不特定多数に仕事を頼むクラウドソーシング。
電子商取引の留意点
ネットで本人確認を済ませるeKYC、マネーロンダリングを防ぐAML・CFTの仕組みが要る。
複数の口座の情報を1か所で見せるアカウントアグリゲーションは、預けた認証情報の管理に注意する。
EDIの仕組みと特徴
EDIは企業間で受発注や請求のデータを、決めた形式で電子的にやり取りする。ブラウザで使うのがWeb-EDI。
データ交換での標準
EDIの取り決めは情報伝達規約・情報表現規約・業務運用規約・基本取引規約の4つの層に分かれる。
XMLで書くXML-EDI、製品モデルデータのSTEP、金融の全国銀行協会手順などの標準がある。
ソーシャルメディア
利用者が投稿で作るCGM(SNS・ブログ・掲示板)。個人のデータを預かり本人の同意で提供する情報銀行も現れた。
使っていない物や場所を他人と共有して貸し借りするのがシェアリングエコノミー。

民生機器

IoTシステム・組込みシステム
機器にマイコンとファームウェアを入れて制御する。決めた時間内に応答するためリアルタイムOSを使う。
データを機器の近くで処理するのがエッジコンピューティング。BLEビーコンは近くの端末に電波で位置を知らせる。
民生機器の特徴と動向
小型化・軽量化・ネットワーク化・個人所有(パーソナル化)が進み、ネットにつながる情報家電が増えた。
民生機器の例
家電・AV機器・スマートフォンのほか、スマートスピーカ、ウェアラブルコンピュータ、VRゴーグル、ARグラスなど。
家庭の電力の使用を見える化して制御するのがHEMS。

産業機器

産業機器の特徴と動向
人を介さず機械どうしが通信するM2Mで省力化・無人化が進む。スマートファクトリーやスマート農業など。
交通手段をまとめて検索・予約・決済できるようにするMaaS、都市全体でデータを使うスマートシティ。
産業機器の例
産業用・医療用・災害対応用のロボット、ドローン、ATM、自動販売機、患者モニタリング装置など。
自動車制御システムの特徴と動向
つながる・自動運転・共有・電動化の頭文字がCASE。ネットに常時つながる車がコネクテッドカー。
自動運転レベルは0〜5の6段階。数字が大きいほど、運転をシステムに任せる範囲が広い。

さわって確かめる

部品の必要数を計算するMRPと、取引の形の仕分けを、次の2つで試します。

1. MRPで部品の正味所要量を求める

製品Pを100個作るとき、部品Aの在庫を30から200に増やすと、部品Bの正味所要量がどう変わるか確かめよう。

部品表(この例で使う部品の組み立て)

  • 製品P 1個 = 部品A 2個 + 部品C 1個
    • 部品A 1個 = 部品B 3個

2. 取引の形を仕分ける

6つの事例を、誰と誰の取引か(BtoB・BtoC・CtoC・GtoB・GtoC)に仕分けて、答え合わせしよう。

  • BtoB
  • BtoC
  • CtoC
  • GtoB
  • GtoC
  1. 個人が使わなくなったゲーム機を、フリマアプリで別の個人に売る。
  2. 自動車メーカーが、部品メーカーに部品の注文データをEDIで送る。
  3. 家電量販店のネット通販で、個人が冷蔵庫を買う。
  4. 市役所のサイトから、住民が住民票の写しをオンラインで申請する。
  5. 県が工事の発注先を、建設会社からの電子入札で決める。
  6. 食品会社が、スーパーのチェーンに商品を卸す契約をネット上の取引所で結ぶ。

3問チェック

最初に選んだ答えで採点します。全問正解で、この単元に「済み」の印が付きます。

  1. 製品Pを40個作る。P1個に部品Aを2個使い、A1個に部品Bを3個使う。在庫はAが10個、Bが50個ある。MRPで求めた部品Bの正味所要量は何個か。

    1. 70個
    2. 160個
    3. 190個
    4. 210個
    答えと解説

    正解はイ。Aの正味所要量は 40×2−10=70個。Bの総所要量はそのAを作る分の 70×3=210個で、在庫を引いて 210−50=160個。190個はAの在庫を考えずに 40×2×3−50 とした値、210個はBの在庫を引く前の総所要量、70個はAの正味所要量。

  2. スマートフォンのアプリで割引クーポンを配り、実店舗での買い物につなげる取り組みを表す語はどれか。

    1. DtoC
    2. ロングテール
    3. OtoO
    4. CtoC
    答えと解説

    正解はウ。オンライン(アプリ)からオフライン(実店舗)へ客を送るのがOtoO。DtoCはメーカーが消費者に直接売る形、ロングテールは売れ筋以外の多くの商品で売上を積み上げる考え方、CtoCは消費者どうしの取引。

  3. 生成AIが、存在しない論文の題名をもっともらしく挙げてしまった。この現象を表す語と、取るべき対応の組み合わせとして適切なものはどれか。

    1. ディープフェイク。出力を加工せずそのまま使う
    2. フレーム問題。質問の文を長くする
    3. 過学習。学習データを減らす
    4. ハルシネーション。出力を人が元の資料で確かめてから使う
    答えと解説

    正解はエ。事実でない内容をもっともらしく出すのがハルシネーション。AIの出力は人が確かめ、必要に応じて直してから使う。ディープフェイクはAIで作った偽の映像や音声、フレーム問題は関係する事柄だけを選び出せない問題、過学習は学習データに合わせすぎて新しいデータで外れる状態。