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中分類14 大分類:プロジェクトマネジメント マネジメント系

プロジェクトマネジメント

期限と予算のある仕事を、範囲・日程・コスト・リスクなど10の対象に分けて管理します。試験では、日程の計算(クリティカルパス)とコストの計算(EVM)がよく出ます。

要件・設計・開発・テストの横棒を並べたガントチャートと、結合点1から5までを日数付きの矢印でつないだアローダイアグラムで、1→2→4→5のクリティカルパスを強調した図
図:ガントチャートとアローダイアグラム

要点

プロジェクトマネジメント

プロジェクトとは
プロジェクトは開始日と終了日をもつ、独自性のある活動の集まり。毎日くり返す定常業務とは違う。
手法・ツール・力量をプロジェクトに当てはめるのがプロジェクトマネジメント。指針にJIS Q 21500やPMBOKがある。
期間・予算などのプロジェクトの制約の中で、規模に合わせて手順を選び直す。これをテーラリングという。
3つのプロセスの種類
管理のためのプロジェクトマネジメントのプロセス、成果物を作る引渡しのプロセス、それを支える支援のプロセス。
5つのプロセス群
立ち上げ→計画→実行→終結の順に進む。管理のプロセス群が全体を監視し、計画とのずれを直す。
10の対象群
統合・ステークホルダ・スコープ・資源・時間・コスト・リスク・品質・調達・コミュニケーション。下の小分類がそれぞれに当たる。
プロジェクトの体制
資金と権限を出すのがプロジェクトスポンサー、責任者がプロジェクトマネージャ。プロジェクトを横断して支える部署がPMO。
自己管理
メンバーも自分の作業計画・進捗・品質を管理する。問題を見つけたら早めに報告し、対策を立てて文書に残す。

プロジェクトの統合

プロセス
プロジェクト憲章で正式に始め、プロジェクト全体計画に沿って作業を指揮・管理する。終結では得た教訓を集める。
インプットとアウトプット
計画を変えるときは変更要求を出し、承認された変更を変更登録簿に記録する。最後にプロジェクト完了報告書を作る。
ツールと技法
承認済みの計画をベースラインとして実績と比べる。変更を認めるかどうかはCCB(変更管理委員会)が決める。

プロジェクトのステークホルダ

プロセス
利害関係者(ステークホルダ)を特定し、関心や影響力に合わせて関わり方を決めて対応する。
インプットとアウトプット
誰が関係し、何を期待しているかをステークホルダ登録簿にまとめる。
ツールと技法
ステークホルダ分析では、影響力と関心の大きさで関係者を分け、先に対応する相手を決める。

プロジェクトのスコープ

プロセス
作る物と作業の範囲(スコープ)を定義し、WBSで細かく分けて活動を決め、範囲の変更を管理する。
インプットとアウトプット
範囲をスコープ規定書に書き、WBSと各要素の説明のWBS辞書、活動リストを作る。
ツールと技法
WBSのいちばん下の単位がワークパッケージ。管理されないまま範囲が膨らむことをスコープクリープという。

プロジェクトの資源

プロセス
人員・機器などの資源を見積もり、チームを編成して育てる。作業の進み具合に合わせて資源を配り直す。
インプットとアウトプット
何がどれだけ要るかを資源要求事項にまとめ、役割と報告の関係をプロジェクトの組織図で示す。
ツールと技法
作業と担当者の対応を表にしたのがRAM(責任分担マトリックス)。組織を階層に分けて示すのがOBS。

プロジェクトの時間

プロセス
活動の順序を決め、期間を見積もってスケジュールを作る。進捗を見てずれを直す。
インプットとアウトプット
活動リスト・活動順序・所要期間の見積りから、スケジュールの制約を考えて日程を組む。
ツールと技法
作業を矢印で描くアローダイアグラム(PERT)と、箱で描くPDM。余裕0の作業の列がクリティカルパス(CPM)。
期間を縮めるには、人を足すクラッシングか、後の作業を前倒しで並行させるファストトラッキングを使う。
横棒のガントチャート、節目のマイルストーン。前後の作業の待ちがラグ、重なりがリード。

プロジェクトのコスト

プロセス
コストを見積もり、作業ごとに積み上げて予算を作る。進み具合を見ながら使った額を管理する。
インプットとアウトプット
予算に対して、使った実コストと、完了までにかかる予想コストを比べる。
ツールと技法
似た例から出す類推見積り、作業を積み上げるボトムアップ見積り、楽観・最可能・悲観の3値から出す三点見積り。
機能の数で規模を測るファンクションポイント法、行数のLOC法。規模から工数を式で出すCOCOMOはパラメトリック見積り。
EVMは計画(PV)・出来高(EV)・実コスト(AC)を金額で比べる。基準になる予算の推移がコストベースライン。

プロジェクトのリスク

プロセス
リスクを特定し、起きやすさと影響の大きさで評価して対応を決める。脅威だけでなく好機もリスクとして扱う。
インプットとアウトプット
見つけたリスクと対応をリスク登録簿に記録し、優先順位付けされたリスクから手を打つ。
ツールと技法
確率と影響を「高・中・低」で比べるのが定性的分析。金額や日数で計算するのが定量的分析(期待値など)。

プロジェクトの品質

プロセス
品質計画で基準を決め、品質保証で手順どおりかを確かめ、品質管理で成果物を検査する。
インプットとアウトプット
品質要求事項をもとに検査報告書を作る。起きた問題には是正処置、起きる前には予防処置をとる。
ツールと技法
欠陥の数などの測定値を、パレート図や管理図など目的に合う図で表し、手を打つ所を決める。

プロジェクトの調達

プロセス
外から買う物を計画で決め、供給者を選定し、契約どおりに進むかを運営管理する。
インプットとアウトプット
選んだ供給者と契約書または注文書を交わす。
ツールと技法
作業内容がどれだけ決まっているかで契約のタイプを選ぶ。総額を先に決める契約、かかった費用を払う契約などがある。

プロジェクトのコミュニケーション

プロセス
誰に何をいつ伝えるかを計画し、情報を配布して、伝わっているかを確かめる。
インプットとアウトプット
進み具合を進捗報告書にまとめ、関係者に配布情報として届ける。
ツールと技法
会議のような双方向、メールで送るプッシュ型、掲示板から取りに行くプル型のコミュニケーションがある。
n人の間のコミュニケーションチャネルは n(n−1)÷2 本。4人なら6本、8人なら28本に増える。

さわって確かめる

日程・コスト・人数の計算を、数を変えて確かめます。結果の欄には、途中の計算も出ます。

1. アローダイアグラムとクリティカルパス

作業Fを8日にして、クリティカルパスが2本になることを確かめよう。

結合点は1〜5。作業A(1→2)、B(1→3)、C(2→4)、D(3→4)、E(4→5)、F(3→5)。上の図と同じつながりに、作業Fを足した形です。

2. EVMで遅れと予算超過を見る

EVを400にして、スケジュールの遅れが0になり、SPIが1.00になることを確かめよう。

PV:今日までに終わる予定だった作業の予算。EV:実際に終わった作業の予算。AC:実際に使った額。

3. 工数と増員

新しい人の生産性を50%にして、増員しても思ったほど早く終わらないことを確かめよう。

3問チェック

最初に選んだ答えで採点します。全問正解で、この単元に「済み」の印が付きます。

  1. 作業A(結合点1→2、4日)、B(1→3、6日)、C(2→4、5日)、D(3→4、2日)、E(4→5、3日)がある。全体の所要日数とクリティカルパスの組み合わせはどれか。

    1. 11日、B→D→E
    2. 12日、A→C→E
    3. 12日、B→D→E
    4. 20日、A→B→C→D→E
    答えと解説

    正解はイ。結合点4の最早時刻は、A→Cの4+5=9とB→Dの6+2=8の大きいほうで9日。Eを足して12日。最長の経路A→C→Eがクリティカルパス。B→D→Eは11日で1日の余裕がある。20日は全作業を足しただけで、並行して進む作業を考えていない。

  2. EVMで、ある時点のPVが500万円、EVが450万円、ACが400万円だった。正しい判断はどれか。

    1. スケジュールは進んでいて、コストは予算を超えている。
    2. スケジュールは遅れていて、コストも予算を超えている。
    3. スケジュールは遅れていて、コストは予算内に収まっている。
    4. スケジュールもコストも計画どおりである。
    答えと解説

    正解はウ。SV=EV−PV=450−500=−50 で遅れ。CV=EV−AC=450−400=+50 で、終わった作業の予算より使った額が少ない。ACをPVと比べて「予算内」と判断するのは誤り。コストは出来高(EV)と比べる。

  3. 本来は前の作業が終わってから始める作業を、一部重ねて並行して進め、全体の期間を縮める技法はどれか。

    1. クラッシング
    2. ファストトラッキング
    3. スコープクリープ
    4. ベースライン
    答えと解説

    正解はイ。ファストトラッキングは作業を重ねて期間を縮める(やり直しのリスクが増える)。クラッシングは人や費用を足して期間を縮める。スコープクリープは範囲が管理されずに膨らむこと、ベースラインは比べる基準になる承認済みの計画。