1. 生徒・学生の生成AI利用実態
2025〜2026年にかけての各種調査により、高校生の生成AI利用はすでに「一部の生徒だけのもの」ではなく、 多数派の日常的な学習行動になっていることが分かってきています。
利用目的は「宿題・勉強の手助け」が最多で、次いで「情報収集」「悩み相談・カウンセリング」と続きます。 学習面では、わからない問題が出た際に自分でAIに説明を求めたり類題を出してもらったりと、 生徒自身が学び方を選び取るスタイルが定着しつつある一方、後述するように 「どう使うか」によって学習効果が大きく変わることが研究で示されています。
高校生の生成AI利用経験率(調査別)
調査によって差はあるものの、高校生の7〜8割以上が生成AIの利用経験ありと回答しており、すでに少数派の行動ではないことがわかります(ソニー生命保険「中高生が思い描く将来についての意識調査2026」は中学生200名・高校生800名が対象)。
生成AIの利用目的(高校生・利用者ベース、学研 白書2025)
「勉強の手助け」が突出して多い一方、情報収集や悩み相談など学習以外の用途にも広がっている点に注意が必要です(複数回答)。
2026年3月に実施された高校生対象の意識調査(塾選ジャーナル/DeltaX調べ、有効回答104人)では、 恋愛・人間関係の悩みを相談する相手として「生成AI」を選んだ生徒が44.2%と、 「友人・先輩」(26.0%)を上回りました。一方、進路・受験の相談では「保護者」(34.5%)や 「学校の先生」(31.0%)が優勢で生成AIは13.1%にとどまっており、 生徒は相談内容によってAIと人を使い分けている様子がうかがえます。 あわせて「AIに依存していると感じる」との回答も57.0%(「とてもそう思う」12.0%+「ややそう思う」45.0%) にのぼりました。調査対象が104人と小規模である点には留意が必要ですが、 生成AIが学習面だけでなく生徒の心理的な支え役にもなりつつある実態を示す結果として注目されます。
出典:塾選ジャーナル/株式会社DeltaX「高校生の生成AI活用に関する意識調査」(2026年3月実施)
2026年7月28日公表のソニー生命保険・ネットエイジア調査(中学生200名・高校生800名、2026年6月実施)では、 生成AIの利用経験率は中学生77.0%・高校生78.7%。利用目的は「学習に関する調べもの」が 中学生66.2%・高校生70.0%で最多となり、次いで「プライベートなことの調べもの」(中学生49.4%・高校生44.3%)、 「悩み相談」(中学生44.2%・高校生44.1%)と続きました。 ただし悩み相談での利用には男女差が大きく、男子(中学生31.1%・高校生32.7%)に対し 女子(中学生56.3%・高校生54.7%)は5割を超えており、相談相手としての利用は女子生徒に偏っている様子がうかがえます。
出典:ソニー生命保険「中高生が思い描く将来についての意識調査2026」(2026年7月28日発表)
サイバーエージェント調査(2026年3月)による中高生の生成AI利用率の内訳を見ると、 高校生の利用率83.5%のうち、女子高生は87.9%、男子高生は78.8%と、女子のほうが約9ポイント高くなっています (中学生の利用率は72.6%)。同調査ではサービス別の利用率ランキングも公表されており、 音声アシスタントの「Siri」が上位に入るなど、生徒が「生成AI」だと明確に意識せずに使っているツールも 含めて利用が広がっている実態がうかがえます。
出典:Web担当者Forum「中高生の生成AIサービス利用率ランキング! 実は『Siri』が上位に?【サイバーエージェント調べ】」(2026年3月16日)
2. 教育的効果に関する研究知見
36件の実証研究・132の効果量・参加者7,229人を統合した3レベルメタ分析では、 生成AIの学習成果への全体効果は中程度(Hedges' g = 0.499)。 別の高等教育メタ分析では、知的アウトカムへの効果はより大きく(g = 1.096)、 社会情動的アウトカムにも有意な正の効果が見られました。 フィードバック機能は「認知的アウトカム」への効果が最も強く、 「メタ認知」への効果は有望だが確立途上、「非認知的アウトカム」への効果は限定的という結果です。 さらに、生成AIを使った「教育的エージェント」(対話型のAIチューター等)に絞った2015〜2025年の 27件のメタ分析でも、学習成果への効果は中程度(g = 0.401)と確認されており、 教員が指導に組み込んで使わせる「教員主導型」のほうが、生徒に自習として任せる 「生徒主導型」よりも効果が有意に大きいことが示されました。 対話形式ではテキストのみより「マルチモーダル対話」の効果が最も高いという結果も出ています。
出典:Frontiers in Psychology / Nature Humanities and Social Sciences Communications のメタ分析/Cheng, L. et al. "Do Generative AI-Powered Pedagogical Agents Improve Learners' Academic Performance Effectively? Evidence From Meta-Analysis" (2026)(下部「出典・参考文献」参照)
メタ分析による効果量(Hedges' g)
Cohenの目安では g = 0.2 が「小」、0.5 が「中」、0.8 以上が「大」の効果とされます。教育研究としてはいずれも比較的大きな効果です。
ハーバード大学の物理入門コースで、AIチューターを使って自習した学生グループは、 人間の講師によるアクティブラーニング型の授業を受けたグループより 短い時間で2倍以上の学習成果を示し、学習への熱意(engagement)も倍増しました。 鍵となったのは設計面の工夫で、AIには「一度に答えを教えず、1ステップずつヒントを出す」ことを 明示的に指示していた点です。研究者自身も「AIが教員や対面授業を置き換えるべきという意味ではない」と釘を刺しています。
出典:Kestin, G. et al. "AI Tutoring Outperforms Active Learning"(2024, Harvard)
アクティブラーニング型授業 vs AIチューター(相対指数、従来型=1.0)
同条件下でAIチューターを使ったグループは、より短い時間で約2倍の学習成果を示しました(engagementも同様に倍増)。
数学のオンライン個別指導で、AIが講師をリアルタイムに補助する「Tutor CoPilot」を使った条件では、 生徒の単元習熟度到達率が4ポイント向上。特に経験の浅い・評価の低い講師が担当した生徒では 最大9ポイントの向上が見られ、AIが「講師の経験差を埋める」形で機能した点が注目されています。
出典:Stanford NSSA 関連研究ノート(下部参照)
Tutor CoPilot導入による単元習熟度到達率の向上
AIによる補助は、特に経験の浅い講師が担当する生徒でより大きな効果を発揮し、指導経験の差を埋める働きをしています。
学習者中心(learner-centered)で能動的な学びを促す環境では効果が強く出る一方、 教員中心・受け身型の指導ではAIの効果が弱まることがメタ分析で示されています。 「AIを使えば自動的に伸びる」わけではなく、指導設計との組み合わせが重要という結論は、 多くの研究に共通しています。2026年4月時点までの研究を反映した数学分野の 「生きた(living)メタ分析」でも、生成AIの学習効果は教科・文脈・指導設計によって 大きくばらつくことが改めて確認されており、この結論は最新の研究でも一貫しています。 2026年6月には、個別の系統的レビューを横断的に統合した「メタレビュー」(Zhang, Deng & Shadiev, 2026) も発表され、教育段階・教科・ツールごとにレビューが乱立する一方で、 理論的な裏付けや長期的な学習成果の検証が不足した研究が多いことが指摘されています。 「効果がある」という報告が積み上がる一方、研究の質・設計そのものの底上げが今後の課題です。
出典:LLAMA LIMA: A Living Meta-Analysis on the Effects of Generative AI on Learning Mathematics(2026)/Zhang, L. et al. "A Meta-Review of Generative AI in Education: Synthesizing Findings from Systematic Reviews" Journal of Educational Computing Research (2026)
3. リスク・注意点に関する研究知見
トルコの高校(約1,000人、9〜11年生)での実験。GPT-4に自由にアクセスできた生徒は 練習問題の成績が大きく向上(GPT Baseで+48%、ヒントのみを与えるGPT Tutorで+127%)しましたが、 AIへのアクセスを外した後のテストでは、GPT Baseを使っていたグループは AIを一度も使わなかったグループより成績が17%も低下しました。 一方、答えを直接教えず教師設計のヒントのみを出す「GPT Tutor」条件では、この悪影響は緩和されました。 「AIで解けた」ことと「自分の力で解けるようになった」ことは別物であり、 設計(ガードレール)の有無が結果を大きく左右するという、教育現場への警鐘となる研究です。
出典:Bastani, H. et al. "Generative AI without guardrails can harm learning" PNAS (2024)
「使っている間」は伸びるが、「外した後」に何が起きたか
GPT Baseで練習した生徒は、AIを外すとAIを一度も使わなかった生徒より成績が低くなりました(スキルが身についていなかった)。ヒントのみを出すGPT Tutorではこの悪影響が緩和されています。
666人を対象とした2025年の調査では、生成AIの利用頻度と批判的思考力のあいだに有意な負の相関が見られ、 特に若年層でAI依存の傾向と批判的思考スコアの低下が顕著でした(媒介要因は「認知的オフロード」)。 MIT Media LabによるEEG(脳波)を用いた実験では、ChatGPTを使ってエッセイを書いたグループは 脳の神経活動の結びつきが最も弱く、その後AIなしで書く課題を課された際、 脳の結合が弱いままで自分が書いた内容すら思い出せない、という結果が報告されました。
出典:Gerlich, M. (2025) 調査研究/MIT Media Lab "Your Brain on ChatGPT" EEG研究
大学生120人を対象にしたランダム化比較試験(RCT)では、ChatGPTを使って学習した群と AIを使わず伝統的な方法で学習した群を比較。学習にかかった時間はChatGPT群が平均3.2時間、 非AI群が平均5.8時間と、AI利用群のほうが大幅に短時間で済んだ一方、 45日後の抜き打ちテストでの正答率はChatGPT群57.5%に対し非AI群68.5%と、 AI利用群のほうが有意に低下していました(p = .002, Cohen's d = 0.68)。 「デザラブル・ディフィカルティ(望ましい困難)」理論が示すとおり、 自力で思い出そうと苦労する過程そのものが長期記憶の定着に必要であり、 AIによる即答はその過程を省いてしまうためと説明されています。
出典:Barcaui, A. "ChatGPT as a cognitive crutch: Evidence from a randomized controlled trial on knowledge retention" Social Sciences & Humanities Open (2025)
45日後の知識定着テスト正答率(学習手段別)
学習中の所要時間はChatGPT群のほうが短かった(3.2時間 vs 5.8時間)にもかかわらず、45日後の記憶定着はAI利用群のほうが低いという結果でした。「早く終わる=身についた」ではない点に注意が必要です。
2026年3月、Lodge & Lobleは「認知的オフロードそのものは学習者にとって本質的に有害ではない」と主張。 重要なのは、AIに任せて浮いた認知的余力を何に使うか、という点だとしています。 実際、探究的・足場かけ(スキャフォールディング)された指導設計に組み込まれたChatGPTは、 メタ認知の調整や論証的推論、アイデア生成を支援する一方、 指導設計のない自由な使い方では創造性は伸びても批判的思考は落ちる、 あるいは両方が低下するという非対称なパターンが観察されています。
中国の大学生353人を対象にした2026年6月発表の研究では、生成AIの使い方によって 「単純な質問応答型ユーザー」(25.2%)から「批判的な協働思考者(critical co-thinkers)」(15.6%)まで 4つの異なる利用パターンが確認され、後者ほど批判的思考の伸びとAIからの認知的自律性の維持が 両立していました。別のFrontiers in Psychology掲載研究(2026年3月)でも、 デジタルツールへの認知的オフロードと批判的思考・学習の深さとの関係は、 生徒自身が持つ「認知的自己効力感」によって一部媒介されることが示されています。 「AIを使うと思考力が落ちる」という単純な図式ではなく、 使い方のパターンと自己効力感によって結果が分かれるという、 より解像度の高い研究知見が蓄積されつつあります。
出典:Journal of Intelligence (2026) "When Thinking Is Outsourced: Cognitive Offloading and the Heterogeneity of Critical Thinking Among Chinese University Students Using Generative Artificial Intelligence"/Frontiers in Psychology (2026) "Cognitive offloading through digital tools and its relationship with critical thinking, task persistence, and learning depth"
中国・欧州・米国の大学生912人を対象にした2026年の研究では、生成AIを単なる道具ではなく 「対話のパートナー」として捉える度合い(パートナーシップ志向)が強い学生ほど、 AIの回答を批判的に吟味する「認知的警戒(vigilance)」と、AIに考える作業を委ねる 「認知的オフロード」の両方が同時に高まるという、一見矛盾するパターンが3地域共通で確認されました。 さらにこの2つの経路はいずれも独立して、これまでの前提を問い直すような深い学び (transformative learning)を予測しており、「オフロード=思考力の劣化」と単純化できない 可能性を示す知見として注目されています。ただしこの効果は、AIとの関わり方が 「対等な協働(パートナーシップ)」であることが前提とされている点には留意が必要です。
出典:Wang, X. & Zhang, Y. "Pedagogical partnerships with generative AI in higher education: how dual cognitive pathways paradoxically enable transformative learning" International Journal of Educational Technology in Higher Education (2026)
2026年8月公表の教職員328名対象の調査(アルサーガパートナーズ、2026年4月30日〜5月7日実施)では、 教員の58.5%が生成AI活用による生徒の創造性・思考力の向上を実感する一方、 55.3%が生徒の「思考停止」を懸念していると回答。約7割の教員は、生徒の「プロンプト設計力(AIへの指示の出し方)」 の差が学びの深まりに直結していると感じており、その裏返しとして 生徒間の学力や提出物の質の「格差」が拡大していることが新たな課題として浮かび上がりました。 生成AIを思考の伴走者として積極的に使わせようとする教員ほど、こうした「思考停止」のリスクにいち早く気づいている という指摘もあり、活用が進むほど設計・指導の重要性が増すという、 「4. 設計のポイント」の内容を現場側から裏づける結果となっています。
出典:アルサーガパートナーズ「生成AI活用実態調査2026」(2026年8月発表)
生成AIによるレポート作成・剽窃の境界があいまいになる問題は、多くのシステマティックレビューで 一貫して指摘される最大級の懸念事項です。あわせて、生徒の思考プロセスの「均質化」 (みんな似たような文章・アイデアになる)も教育面のリスクとして挙げられています。
生成AIへの公平なアクセスが確保されなければ、デジタル格差がさらに拡大する可能性があるとされています。 米国EDUCAUSE 2025年調査では、機関の63%が「公平なAI活用のための教員研修」を優先課題としながら、 新規予算を確保できたのはわずか2%という「投資ギャップ」も報告されています。
UNESCOの生成AIガイダンスは、多くの国で生成AIに関する国内規制が未整備なため、 特に未成年者のデータプライバシーが十分に保護されていない現状に警鐘を鳴らしています。 具体的な提言として、生成AIサービスの単独利用に関する最低年齢を13歳とすること (EUのGDPRは16歳を基準)、データの商業利用の制限、透明なガバナンス体制の整備などを挙げています。
出典:UNESCO "Guidance for generative AI in education and research"(2023, 継続更新)
4. 効果とリスクを分けるもの:設計のポイント
ここまでの研究を横断的に見ると、「生成AIそのものが良い/悪い」のではなく、 「どう使わせるか」の設計が学習効果とリスクの分かれ目になっていることが共通しています。
| 効果につながりやすい使い方 | リスクにつながりやすい使い方 |
|---|---|
| 答えを直接出さず、1ステップずつヒントを出す(Socratic方式) | 質問すれば最終解答をそのまま返す |
| 探究的・足場かけされた指導設計に組み込む | 目的や指導方針なく自由に使わせる |
| 教員がAIとの対話ログを見取り、指導に活かす | 生徒任せにして使用実態を把握しない |
| AIリテラシー教育とセットで導入する | 使い方の指導なしにツールだけ与える |
| まず自分で考えさせ、その後AIで検証・深化させる | 最初からAIに答えを求めさせる |
教育者への示唆: 「生成AI禁止」か「自由に使わせる」かの二択ではなく、 どの場面で・どんな指示(プロンプト設計)で・どこまでAIに任せるかを 教員側が設計することが、研究知見からみて最も重要なポイントです。
5. 現場での活用事例(授業準備・校務)
日本国内でも、教員の負担軽減を目的とした生成AI活用が2025年に本格化しています。
- 採点・評価業務の効率化:記述式問題の採点・点数集計にかかる時間を約50%削減し、 教員の時間外勤務の削減につながった事例が報告されています。観点別評価の自動グラフ化により、 クラス全体のつまずきの傾向を即座に把握できるようになった例も。
- 授業準備・教材作成の支援:教材や発問案のたたき台作成、類題生成など。
- 生徒対応の24時間化:生徒からの質問への一次対応、英会話練習の相手など。
- 校務効率化:保護者向け文書やメール文面の下書き作成の自動化。
- 自治体レベルの導入:東京都教育委員会「都立AI」(2025年5月本格運用開始)、 さいたま市教育委員会「おたすけ学校AI」など、教育委員会単位での導入事例が増加。
- 「生成AIパイロット校」の急拡大:文部科学省が指定する生成AIパイロット校 (教育利用・校務利用・教材実証に取り組む学校)は、令和6年度の66校から令和7年度は281校、 令和8年度(2026年度)には149自治体・478校にまで拡大しました。 内訳は教育利用10自治体・校務利用100自治体・教材実証51自治体で、校務での活用が先行して広がっています。
- 校務活用の手引き作成:文部科学省は2026年6月、教職員の働き方改革に向けて 校務での生成AI活用の好事例を盛り込んだ教育委員会向けの手引きを作成する方針を公表しました。 パイロット校での取り組みでは97%の学校が働き方の改善効果を実感しているとの報告もあります。
- 教員個人の活用率も急伸:2026年8月発表の調査(アルサーガパートナーズ、教職員328名対象、 2026年4月30日〜5月7日実施)では、教員個人の生成AI活用率が前年比1.5倍に増加し、 60.8%が「校務負担の軽減」を実感していると回答しています。
- 教員同士の知見共有も本格化:ガイアックスは2026年8月28日、小学校から高校までの現職教員19名への ヒアリングをもとに、校務・授業での生成AI活用事例77件を「誰の・どのような課題を・どう解決したか」という 共通フォーマットに整理した事例集を無償公開しました。特別な環境や有料ツールがなくても始められる事例が中心で、 学校の教職員・自治体職員であれば無料でダウンロードできます。使い方の知見が個人や1校の中に閉じてしまいがちな 課題に対応する取り組みです。
- ただし全校ベースではまだ発展途上:一方、旺文社「全国の高等学校におけるICT・AI活用実態調査」 (2026年度・10回目、全国547校対象)では、校務での生成AI活用について 「十分活用できている」「まあまあ活用できている」との回答は場面によって約3〜4割にとどまっています。 パイロット校や積極的な教員を中心に急速に広がる一方、学校現場全体としての定着にはまだ差があることがうかがえます。
6. 日本の学校向けガイドライン(文部科学省)
文部科学省は2023年7月に「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関する暫定的なガイドライン」を公表し、 その後の実践や検討会議での議論を踏まえ、2024年12月26日に「Ver.2.0」へ改訂しました。 さらに2026年6月30日の中央教育審議会デジタル学習基盤特別委員会(第10回)では、 生成AIの普及状況や現場での知見の蓄積を踏まえ、次期学習指導要領の改訂を待たずに 「Ver.2.1」へ向けたガイドライン改訂の検討を開始する方針が示されました (2026年8月現在、改訂内容そのものはまだ検討段階です)。 あわせて教育情報セキュリティポリシーの改訂や、校務システムのクラウド化・データ連携を進める 「次世代校務DX」についても議論が行われています。
- 教職員・教育委員会等の学校教育関係者を主な読み手とし、生成AIの概要や基本的な考え方、 場面・立場ごとに押さえるべきポイントを整理。
- 「人間中心の利活用」を基本方針としつつ、生成AIの存在を踏まえた情報活用能力の育成強化を明記。
- 「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関する検討会議」を設置し、2024年7月より継続的に検討。
- 教育活動・校務での活用に取り組む「生成AIパイロット校」を指定し、効果的な実践事例の創出・共有を推進 (詳細は「5. 現場での活用事例」参照)。
- 2026年6月の中教審特別委員会では、効果的な活用場面と活用を控えるべき場面の具体例を より明確に示すことや、教育分野に特化したAIの実証研究、校務系データ活用を含むインフラ面の 課題解決などが、Ver.2.1改訂に向けた検討項目として挙げられています。
出典:文部科学省「学校現場における生成AIの利用について」 (mext.go.jp/a_menu/other/mext_02412.html)/ ReseEd「文科省、生成AIとセキュリティ指針を改訂…次世代校務DX」(2026年7月)/ 教育新聞「生成AIガイドライン改訂へ向け 中教審特別委員会が議論開始」(2026年7月)
7. 出典・参考文献
このページの内容は以下の一次情報・報道・研究論文をもとにAIが調査・要約したものです。詳細は各リンク先でご確認ください。
- 国際Frontiers in Psychology: Generative AI in Higher Education: A Meta-Analysis of Intellectual and Social-Emotional Outcomes (2026)
- 国際Nature HSS Communications: Generative AI technologies and educational outcomes: a comprehensive meta-analysis
- 国際Frontiers in Psychology: Exploring the effect of GenAI on learning outcomes in higher education: a three-level meta-analysis
- 国際PNAS: Bastani, H. et al. "Generative AI without guardrails can harm learning: Evidence from high school mathematics" (2024)
- 国際Bastani et al. 原著論文PDF
- 国際Harvard Gazette: Kestin et al. AIチューター物理授業研究 (2024)
- 国際Stanford NSSA: Research Notes: Two Emerging Strategies for Using AI in Tutoring
- 国際Dr Phil's Newsletter: The "Cognitive Offloading" Paradox(Lodge & Loble 2026 の紹介含む)
- 国際ScienceDirect: The cognitive impact of ChatGPT in higher education: A systematic review
- 国際OECD: The Potential Impact of Artificial Intelligence on Equity and Inclusion in Education
- 国際UNESCO: Guidance for generative AI in education and research
- 国際Journal of Intelligence: When Thinking Is Outsourced: Cognitive Offloading and the Heterogeneity of Critical Thinking Among Chinese University Students Using Generative AI (2026)
- 国際Frontiers in Psychology: Cognitive offloading through digital tools and its relationship with critical thinking, task persistence, and learning depth (2026)
- 国際LLAMA LIMA: A Living Meta-Analysis on the Effects of Generative AI on Learning Mathematics (2026)
- 国際Barcaui, A. "ChatGPT as a cognitive crutch: Evidence from a randomized controlled trial on knowledge retention" Social Sciences & Humanities Open (2025)
- 国内WIRED.jp: 生成AIを使った勉強は、知識の定着を妨げる:研究結果(2026年4月)
- 国内文部科学省: 生成AIの利用について
- 国内カレントアウェアネス・ポータル: 文科省「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」公表
- 国内ReseEd: 文科省、生成AIとセキュリティ指針を改訂…次世代校務DX(2026年7月)
- 国内教育新聞: 生成AIガイドライン改訂へ向け 中教審特別委員会が議論開始(2026年7月)
- 国内エレファンキューブ: 学校でのAI活用はどこまで進んだ?パイロット校478校の実践と「ガイドライン改訂」の方向性
- 国内エデュテクノロジー: 教員の負担を劇的削減!生成AIの校務活用事例と文科省最新指針
- 国内ベネッセ: 高校生の意識・まなび調査2025
- 国内ReseEd: 高校生のインターネット・リテラシー調査(生成AI利用実態)
- 国内Web担当者Forum: 高校生が恋愛・人間関係を相談する相手、「友人」を抜き「AI」が1位に【塾選調べ】(2026年7月)
- 国内ソニー生命保険: 中高生が思い描く将来についての意識調査2026(2026年7月28日発表)
- 国内アルサーガパートナーズ: 生成AI活用実態調査2026 ―教員のプロンプト設計力と学力格差(2026年8月発表)
- 国内旺文社: 全国の高等学校におけるICT・AI活用実態調査(2026年度)
- 国際Cheng, L. et al. "Do Generative AI-Powered Pedagogical Agents Improve Learners' Academic Performance Effectively? Evidence From Meta-Analysis" (2026)
- 国際Zhang, L. et al. "A Meta-Review of Generative AI in Education: Synthesizing Findings from Systematic Reviews" Journal of Educational Computing Research (2026)
- 国際Wang, X. & Zhang, Y. "Pedagogical partnerships with generative AI in higher education: how dual cognitive pathways paradoxically enable transformative learning" IJETHE (2026)
- 国内Web担当者Forum: 中高生の生成AIサービス利用率ランキング! 実は「Siri」が上位に?【サイバーエージェント調べ】(2026年3月)
- 国内ReseEd: 生成AI活用事例77選を無償公開、現職教員19名にヒアリング…ガイアックス(2026年8月)
- 国内ガイアックス: 学校における生成AIの活用事例集を無償公開(プレスリリース、2026年8月)